アクロバティックな蹴り技やバク宙などのアクロバット技を組み合わせたトリッキング。InstagramやTwitter、YouTubeなどのSNSでかっこいい映像を見たことがある方もいることでしょう。「なんかよくわからないけどカッコいい!」と思っている方もいるかもしれません。
この記事ではトリッキングとは何なのか?どこの国が発祥なのかといったトリッキング文化の歴史や魅力、どうすればトリッキングを始めることができるのかなど詳しく解説していきます。
目次
トリッキングとは?
トリッキングとは、武術の蹴りや体操やブレイクダンスなどのアクロバティックな動きを加えた様々な分野の技術を組み合わせたエクストリームスポーツです。
トリッキングで行われる技(トリック)はフリップ(回転)、ツイスト(ひねり)、キックを中心に組み合わせ、創造的で視覚的に派手なアクションを行い、自己を表現します。
昨今では映画のアクションシーンやミュージックビデオ、サーカスなどでも用いられることも増えてきました。
マットや柔道の畳で行われることもあれば、コンクリートなどストリートで行われることもあります。
トリッキングの実践者は”トリッカー”と呼ばれ、自身の体を意のままに様々な技を組み合わせてその華麗な動きを披露します。
トリッキングとはバク転(バク宙)を始めとしたアクロバット的な動き、体操、ダンスなどに武術の動きを組み合わせた新しいエクストリームスポーツです。
「キック」「フリップ」「ツイスト」を基本的な構成とし自己表現します。エンターテイメント(シルクドソレイユ)やハリウッドアクション映画をはじめ、様々なショーやダンスシーンでもトリッキングの技は使われています。
引用:トリッキングとは | 一般社団法人日本トリッキング協会
トリッキングの魅力
トリッキングの魅力は人によって様々です。ここでは、よく挙げられるトリッキングの魅力をまとめました。
技ができることの達成感、自己の成長を感じられること
トリッキングでは、技を行って手や膝などをつくことなく着地できるかが成功のポイントです。
今までできなかった技でも、練習を積み重ねることによって、できるようになります。そこで得られる達成感はひとしおです。トリッキングの動画でも、技が成功して周囲の仲間が歓声をあげて駆け寄る光景はしばしば見られます。
また、”技ができるようになる”というのは、目に見える大きな成長です。これを肌で感じることができるのは、トリッキングの大きな魅力と言えるでしょう。
実際、この魅力にハマってトリッキングに没頭しているトリッカーも多いのではないでしょうか。
派手なアクションがかっこいい!
トリッキングでは、まるでアクション映画やゲームに出てくるようなかっこいい蹴り技、華麗なアクロバット技を行います。
そんなかっこよさを兼ね備えているのトリッキングなのです。
前述した通り、トリッキングはコンクリートなどストリートで行われることもあるため、その場でかっこいい大技ができるというのは、まさに”かっこいい”を体現したスポーツと言えるでしょう。
トリックの組み合わせが創造的!
トリック(技)はスタンダードな技に、バリエーションとなる応用の要素を加えることで、名称の異なる別の技となります。
そのため膨大な技が存在し、それを自分好みに組み合わせること可能です。自分のトリッキングスタイルに合わせて組み合わせることが可能で、組み合わせで他のトリッカーがアッと驚くようなトリックを繰り出すことも可能です。
この組み合わせが創造的なところも魅力と言えます。
体を巧みに操る機動力や柔軟性が得られる
複雑な技を行うためには自身の体を熟知することが大切です。日々の鍛錬を積み重ねることで、自分がコントロールできる幅が広がり、機動力を向上させることができます。
特に蹴り技では足を広げる動作も多いことや、空中で急激に体を大きく動かすこともあるため、柔軟性も必要になります。
鍛錬の過程で、体の柔軟性も獲得することができると言えるでしょう。
スポーツ競技としてのトリッキング
トリッキングには「トリッキングバトル」と呼ばれる競技的な面が存在します。トリッキングバトルは世界中のトリッカーが参加しており、日本国内でも大会が開かれています。
トリッキングバトルのルール
トリッキングバトルでは、技の出来栄えやコンボの難しさから優劣をつけて判定によって勝敗をつけます。
手や膝などをつかずに着地に成功しているかどうか、難易度の高い技を行っているか、技の完成度に問題はないか、技をスムーズに繋げられているかなど、大きく分けるとこのような観点からジャッジを行います。
ジャッジは、トリッキングに精通している実力者が取り仕切る場合が多いです。
トリッキングの歴史
トリッキングはできてからそれほど時間が経っていない早熟な文化です。ここからはトリッキングの歴史について解説していきます。
トリッキングの発祥
1960年代、演舞で楽曲を流すようになり、その中で派手で複雑なテクニックが組み込まれることが増えてきました。
1990年代、北米でマーシャルアーツが流行しました。マーシャルアーツとは、空手やテコンドーなどの東洋武術を指します。
これを受けて、Jason Chan氏がより派手で複雑な動きをマーシャルアーツの中で行う「エクストリームマーシャルアーツ」を生み出し、これを起源としてトリッキングが誕生しました。
このような背景があり、トリッキングは2000年初頭、インターネットを通じて普及していきました。
また、2003年にはオンラインのトリッキングコミュニティが盛り上がりを見せたことも世界中に普及した要因です。2008年にはトリッキングチームとして有名なLoopkicksの動画がSNSで拡散され、話題となりました。
トリッキングが日本に持ち込まれた背景
前述した通り、トリッキングは2000年初頭からインターネットにより普及したもので、日本でもインターネットでトリッキングの動画を見つけた人が独学で習得していきました。
2008年には、東京に「つばさ基地」というトリッキング教室も開校しています。
日本で開催された大会としては、2011年に大阪で「All Japan Tricking Battle(AJTB)」が開催されました。
そして、2016年にはトリッキング協会が設立され、翌2017年にはオランダで開催された世界大会で日本人初の快挙となる世界大会優勝をDaisuke選手が成し遂げました。
さらに翌年2018年にはShosei選手が世界大会に優勝しており、日本のトリッキングレベルは世界的に見てもかなり高いという状況です。
初心者必見!トリッキングの始め方
派手でかっこいいアクロバットが可能なトリッキングですが、どうやって始めればよいか分からない方も多いかと思います。
ここからは、全くの初心者がトリッキングを行うためには、どのように始めれば良いのかを解説していきます。
どんな動きがあるのかを知ろう
まずはトリッキングにはどのような動きが存在するのかを知ることから始めましょう。
トリッキングは、主に「キック」「フリップ」「ツイスト」の3つの要素で構成されています。
そして、これらの要素の中でもさらに細かく分類されます。たとえば、キックなら正面から足を振り上げて行うキックや、後ろ回し蹴りのような入りから行うキックもあります。そして、これらを組み合わせていくのがトリッキングです。
このようにトリッキングの技のバリエーションはかなり豊富なので、どのような動きが存在するのかを知っておくと、自分で表現できるトリッキングの幅が広がります。
PTvillageではトリッキングの技を図鑑の形式でまとめているので、ぜひご覧ください。
自分にできそうな技に取り組み、さらなる技に挑戦!
いざトリッキングに挑戦するとなったら、まずは自分の身体能力で取り組めそうな技を選んで練習するようにしましょう。
いきなり大技を行うのではなく、動画を見るなどして自分でも練習できる技を選んでみてください。
トリッキングがインターネットで発展してきたように、YouTubeには多くの講座も出ていますし、PTvillageでも解説しています。これらを参考に練習に取り組みましょう。
一番は安全な環境で指導者に教わることが上達するには最短ですが、独学でも可能なので、まず気軽に挑戦してみてはいかがでしょうか。
初心者がトリッキングを始めるための細かい練習方法やおすすめの技は下記のページで詳しく解説しているので、ぜひこちらもご覧ください。
トリッキングができる場所
トリッキングの練習が可能な場所としては、トリッキング用の練習施設をはじめ、一般解放されている体育館や柔道場などで練習することが可能です。
「トリッキング教室」と呼ばなくても、「アクロバット教室」という名称で運営されている施設などでも練習場所としては有効です。
トリッキングの練習施設については、下記のページで何県のどこにどんな施設があるのかを具体的にまとめているので、こちらをぜひご覧ください。
ストリートで行う場合は、どこでも練習することは可能ですが、まずは芝生や砂浜で練習することをおすすめします。
いきなりコンクリートで行うと、打ちどころが悪く大怪我をする可能性もあるため、練習場所には十分注意して行うようにしましょう。
トリッキングのよくある質問
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Q1,トリッキングは初心者でもできるの?
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A1,できます。トリッキングはまだ新しい文化で、熟年のトリッカーたちも独学でレベルアップをした方も多いです。まずは、自分でどのような技に挑戦したいかを決め、安全な環境で段階的に練習していくと良いでしょう。
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Q2,トリッキングはエクストリームマーシャルアーツ(XMA)の違いはなに?
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A2,エクストリームマーシャルアーツ(XMA)は伝統的な型やオリジナルの型、武器を使用して行う演舞や複雑な蹴り技やアクロバットに主軸を置いた演舞の総称です。トリッキングはその中の「複雑な蹴り技やアクロバットに主軸を置いた演舞」に該当します。つまり、そもそもの位置づけにおいて異なります。
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Q3,どこでトリッキングができるの?
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A3,結論、どこでも可能です。ただ、いきなりコンクリートなどで行うのは危険なので、トリッキングの練習施設やアクロバットが習える教室、一般開放されている体育館や柔道場などの施設、外で行う場合は芝生や砂場等があげられます。
トリッキングの理解を深め、正しく実践しよう!
ここまでトリッキングとは何なのか、トリッキングの大会や歴史など詳しく解説してきました。
トリッキングはまだ生まれたばかりの早熟な文化です。だからこそ、トリッキングについて正しく理解を深め、この魅力あるスポーツをぜひ実践してみてください。
この記事を機に、少しでもトリッキングに興味を持っていただける方が増えれば幸いです。
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